「失語症意思疎通支援者養成事業」勉強会のお知らせ

 今春厚生労働省より全国の都道府県に『失語症者向け意思疎通支援者養成事業』を平成30年度から実施できるように、と通知がありました。日本言語聴覚士協会もバックアップした養成指導者養成研修が、10月に各都道府県士会より代表者(都士会からは西脇会長)を集め行われます。東京都より依頼があり、当士会では委員会を立ち上げ、この事業の企画実施を請け負うことにしました。
 失語症者向け意思疎通支援者とは何でしょうか。聴覚障害者への手話通訳や視覚障害者に対するガイドヘルパーに似た福祉サービスと考えてもよいかもしれません。専用のテキストには具体的に次のようなことがあげられています。
*会・会議での内容理解援助 *外出支援 *同病者とのコミュニケーション援助 *交通機関や公共施設利用援助 *買い物・娯楽施設など利用援助
 友の会やカフェなどでのコミュニケーション活動はもちろん、図書館や映画館、デパートへ買い物に行きたい、病院の受診で医師や薬剤師に質問したい、という時などに利用できると思われます。
これまで東京都内では、NPO法人和音を中心にした「失語症会話パートナー」がすでに養成され活動しています。武蔵野市や世田谷区など、独自に展開をしている地域もあり、そのほとんどは無償のボランティアでした。これからこの制度を使えば、失語症のある方ができるだけご自分で考えて過ごしたい、活動したい、そんな気持ちをサポートする場合、意思疎通支援者には、きちんと行政から手当てが支払われるのです。日本失語症協議会(旧全国失語症友の会連合会)が訴えていたことが一つ実を結んだ形で、お互いにとってもありがたい制度です。
 これには私たちSTが存分にその専門性を発揮し、失語症のある方の気持ちを大切にしながら養成、派遣を考えていく必要があります。かつ、担当する失語症者ご自身が講師として実習のお手伝いをしてもらえるような仕組みにしています。
失語症者の社会参加促進を目指した、その意義も予算的にも大変大きな事業です。一緒に考える委員も募集し、次のコミュニケーション障害者の意思疎通支援につながる可能性も模索できたらと思っています。都士会ではこの意思疎通支援者養成事業について勉強会を開催し、事業説明、今後の協力内容や意見交換など行うことにしました。関心のある方、ぜひお集まりください。

11月26日(日) 13~16時 新宿区障害者福祉センター2F 無料!

申し込み先:ishisotsu@st-toshikai.org (資料の関係で24日締め切り;当日参加可)
1月8日(日)も同じ内容で予定しています。

東京都都士会担当理事 宮田睦美

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