平成30年度東京都失語症者向け意思疎通支援者養成事業講習(第3〜7回講習)実施しました

失語症者向け意思疎通支援者養成事業委員会より

「平成30年度東京都失語症者向け意思疎通支援者養成事業」が6月に始まり、講習は半分を終えようとしています。体調が理由で1名辞められましたが、残り39名が一度も欠席することなく、熱心に参加を続けている状況です。8月からは都内30カ所の実習地(失語症友の会、自主グループ、デイサービス、会話サロンなど)での実習も実施されています。ご協力くださった実習担当STの皆さま、本当にありがとうございます。
 第3回講習「コミュニケーション支援技法」では、講師の松田江美子氏から重要な技法をロールプレイの中で学びました。豊富な経験からのちょっとしたコメントに、ST自身も「なるほど」と考えさせられました。
続く第4回講習「コミュニケーション支援技法/実習」は講師の佐藤ゆう子氏、田村洋子氏に加え10名の失語症の方を講師として招き、会話の中で様々な技法を使ってみる、というものでした。実際に失語症の方を前にすると、受講者はさらに真剣味が増し、また熱気も帯びた講習でした。ただおしゃべりに夢中になり、指導したグループ講師からは、内容の確認を書いて示せていない、など課題は残っています。


 猛暑の中でしたが、第5回「身体介助の方法/実習」は理学療法士の鈴木正則氏、堀切拓己氏から、職場である東京衛生学園専門学校をお借りして学ぶ機会を得ました。
 そして、第6回「外出同行支援」「派遣事業と意思疎通支援者の業務」では委員でもある黒川容輔氏が丁寧に解説し、講義後には多くの質問が出て、派遣される場合に気になることなど、活発な意見交換にもなりました。そしていよいよ、失語症当事者講師と屋外に出る第7回「外出同行支援実習」が9月30日に開催されました。講師の安保直子氏中心に、屋外での意思の確認から釣り銭の確認、振り返りまでのプログラムを準備しました。屋内での同席支援とは違う、屋外を歩き(移動し)ながらの会話や、店に入ってのやり取りにどんな支援が必要かを体験しました。間違ったものを店で注文してしまったり、知らない場所なため受講者が道を探しに行き当事者を一人残してしまったり…、学びもたくさんありました。天候の影響を考え、当日時間を調整するなど苦労もしましたが、無事に終えてほっとしています。お互いに共有すべきことを、今一度委員の中でも確認し、各友の会やサロン等での実習でも、活かしてもらえるようにしなければならないと思います。
 これからの養成事業を良いものにするために、今年度は会議を重ね、準備と振り返りを、そして次年度の計画に、と忙しい9月になっています。運営に携わる委員が、次年度応用コースが増えることを考えるともっともっと必要です。(助手STをしてくださった方、ぜひ運営にもご協力ください! 関心のある方! ご連絡お待ちしています。 ishisotsu@st-toshikai.org )

 中野サンプラザでの講習はあと2回となり、そろそろ次年度の応募へ向け準備する時期です。同時に東京都の事業として、失語症啓発シンポジウムを開催することにしています。下記日程で決まっております。HP等でもご案内していきますが、1人でも多くの都民に失語症を知ってもらう機会として、皆さまの職場などで周りの人たちにお声掛けください。

 

 

 

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