平成30年度東京都失語症者向け意思疎通支援者養成事業講習(第2回講習)実施しました

失語症者向け意思疎通支援者養成事業委員会より

 第2回講習は6月20日に実施されました。「失語症のある人の日常生活とニーズ」は特定非営利活動法人日本失語症協議会より園田尚美事務局長が、貴重なアンケート調査結果に基づいた実態や、ご自分の体験、また協議会に寄せられた声などを加えお話しくださいました。また、「意思疎通支援者とは何か」「心構えと倫理」では言語聴覚士山本弘子氏(府中療育センター)を講師に迎え、いろいろな印象深いエピソードを交えながらあっという間の2時間でした。
来月からは支援技法などを学びます。40時間の8割を占める実習へ向けての第一歩です。ここではグループワークを重視しており、その指導にグループ講師を各回10名必要としています。受講者同士のロールプレイに加え、失語症の方を講師として迎えて会話演習を進めていく、という時間をしっかり取るように設定してあります。

 8月から始まる「友の会・サロン」での実習の調整も、ようやくひと段落してきました。39名の受講者(一人体調不良にて辞退がありました)にそれぞれ6回の外部での実習を提供してもらうために、およそ20の友の会・サロンに携わるSTの皆様に協力をいただきました。普段の臨床の仕事に加え、さまざまな日程などの調整をいただき、本当に感謝いたします。この場をお借りして、あらためてお礼申し上げます。

 まだ講習は始まったばかりで座学が2回ですが、今まで「失語症会話パートナー」として活躍しておられた方や、ご家族に失語症の方がいたような経験をお持ちの方もいて、早く役に立ちたい!という気持ちが強くなっているのを感じます。そのやる気が「意思疎通支援者」として働くように、私たちもいっしょに育っていく必要があります。いわゆる言語機能回復のお手伝い=訓練の支援者と勘違いしないこと、正しく話す・書く等を求めないこと、などをうまく伝えていかねばなりません。失語のある方の頭の中にある考えや意味を、うまく引き出して、自分だけではない他の誰か、第三者にうまく橋渡しする、そんなやり取りが続けられる支援者に~~ということを、3月までかけて理解・実践してもらえるように、鋭意努力してまいります。
初めてのことばかりで試行錯誤の日々ですし、次年度の講習についても同時並行して準備しなくてはなりません。ともに考えていける仲間がもっと必要です…お待ちしております。
これからも委員一同、力と知恵を結集し、着実に歩みを進めてまいりたいと思っております。皆様のご支援ご協力のほどよろしくお願いいたします。

0